| 研究課題/領域番号 |
16360415
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| 研究機関 | 愛媛大学 |
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研究代表者 |
加藤 敬一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10117088)
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| 研究分担者 |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学部, 助手 (00263963)
秋山 浩一 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (80231835)
増田 晴造 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 講師 (50363263)
立石 憲彦 愛媛大学, 医学部, 助教授 (90236555)
鈴木 洋司 愛媛大学, 医学部, 講師 (20226567)
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| キーワード | DDS / ベシクル / レクチン / 中性界面活性剤 / Span80 / アポトーシス / ヒト大腸癌 / ヒト脳腫瘍 |
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| 研究概要 |
目的:DDSにおけるヒト大腸癌治療、脳腫瘍治療のキャリアーとして、ESA(トゲキリンサイ海藻由来のレクチン)固定化ベシクル、およびイムノベシクルをそれぞれ用いて、癌治療の実用化をめざす。まず、(1)中性界面活性剤Span80を主成分とするベシクル(Spanベシクル)の形成メカニズムを明らかにして、そのベシクルをDDSに使用する。(2)上記のベシクルのマウス体内での動態を検討する。(3)担癌(ヒト大腸癌細胞(Colo201))マウス(特に免疫系のマウス)にESA固定化ベシクル(ESAベシクル)を投与して、癌細胞の増殖抑制効果を検討し、そのベシクルの最適調製条件を探る。(4)イムノベシクルによるヒト脳腫瘍治療を、その初期治療の観点から検討する。
結果:(1)1)Span80より調製したベシクルが、一本〜四本のアルキル鎖エステルの異性体で構成されており、その組成がベシクル粒径により熱力学的に変化することを明らかにした。2)Span80のエステル異性体をカラム分取した後、それらの分取成分を上記のベシクル組成比で再混合すると、所定の粒径を持つベシクルが、簡単に再構成される。これらを、ETH(スイス)のWalde教授らとの共同研究で明らかにした。こうして、Spanベシクルの構造と形成メカニズム完全に解明し、その実用化への道を開いた。(2)担癌(大腸癌)マウス内のESAベシクルの動態では、ベシクルが癌細胞を標的し、肝臓のベシクルは48時間以内には完全に代謝されることを明らかにした。(3)1)ESAベシクルに抗癌剤クキソテール(TXT)を内包させたベシクル(ETPV)を,免疫系のマウスに投与して、癌腫瘍の増殖をほぼ完全に抑制できた。2)マウス投与したESAベシクルが血管壁を通過して癌細胞に到達し、アポトーシスを誘引することを、立相差蛍光顕微鏡で確認することにin vivoで成功した。(4)ヒト脳腫瘍の初期癌治療に対し、抗癌剤内包イムノベシクル投与の有効性を、ヌードマウス系で明らかにした。
上記の結果から本法の臨床応用が示され、今後、企業との共同開発への道筋を固めることが出来た。
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