研究課題/領域番号 |
16360428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
仲井 浩孝 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (00188872)
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研究分担者 |
木村 誠宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 講師 (10249899)
槙田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30199658)
永井 大樹 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (70360724)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 超流動ヘリウム / 超伝導電磁石 / 宇宙空間 / 冷却技術 / 熱伝達 |
研究概要 |
超伝導電磁石を冷却する際に観測される超流動ヘリウムの沸騰現象を、光学窓付きクライオスタットと高速度カメラで可視化し、広範囲な圧力と温度の領域での膜沸騰モードや熱伝達率の変化を測定をした。これらの測定結果の解析から、宇宙空間のような微小重力下では、発熱体表面上に重力場と同量の飽和超流動ヘリウムが存在しても、飽和超流動ヘリウム固有の沸騰現象であるノイジー膜沸騰が発生しないことや、蒸気相の急速な成長に伴って"viscous fingering"現象を形成し、混相挙動の効果によって高い熱伝導が得られる可能性が明らかとなった。また、膜沸騰による圧力振動を高速フーリエ変換して解析し、膜沸騰モードを気液界面の安定性・不安定性の観点から議論した。 冷却系の排熱システムの研究では、大量の熱輸送が可能であり、軽量かつ信頼性の高い熱制御デバイスであるループヒートパイプを提案し、微小重力下での起動特性や作動特性に関する実験を行った。トップヒートおよびボトムヒートでは、ある熱入力以上では一旦起動してしまえば水平時と変わらない熱輸送能力を示し、安定した動作が確認されたが、ボトムヒートでは、低熱入力時に不安定な動作を示す場合も観測された。起動時に蒸発器出口に液が溜まって蒸気の流路を塞いでいるためであると考えられる。したがって、微小重力下におけるループヒートパイプの起動は液体の初期分布に大きく依存していることを示している。今後は、リザーバーの温度制御によって液体の初期分布に拘らず、確実な起動ができるように試みる。 超伝導電磁石と超流動ヘリウムとの熱伝達特性に影響を及ぼすカピッツァ抵抗を測定するための実験装置およびデータ収集システムを構築し、データの蓄積を図っている。また、超流動ヘリウムで冷却される超伝導電磁石を励磁するために、高温超伝導体で電流リードを製作し、超伝導電磁石の冷却システムの評価の際に使用する。
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