研究概要 |
平成16年度では,以下の内容について検討を行った. 1.最適な軽量繊維質固化処理土工法に関する検討 (1)様々な建設現場・掘削現場における汚泥,溜池などにおけるヘドロをサンプリングし,含水率と密度,泥水の粘度などの基礎物性を計測した. (2)故紙,ポリマー,セメントの添加条件を変化させて泥水を処理し,団粒化の有無を確認するとともに,軽量繊維質固化処理土を作成した.さらに軽量繊維質固化処理土の密度,含水比,圧縮強度などを計測した.その結果,繊維質固化処理土は従来の固化処理土に比べて破壊ひずみが大きく,粘り強い土であることが確認された. 2.繊維質固化処理土の耐久性・劣化特性に関する検討 軽量繊維質固化処理土の耐久性を把握するために,乾湿繰り返し実験を実施し,各サイクル毎に処理土の1軸圧縮強度を測定した.その結果,繊維質固化処理土の耐久性は固化処理土に比べて極めて高いことが確認された. 3.軽量盛土材としての利用に関する研究 (1)生成される処理土の密度および含水比を推定するための理論式を導出した.密度推定式は初期含水比の関数になっていることから,各種工事現場で要求される土砂密度が指定された場合,初期含水比を加水調整することにより,任意の泥土から要求性能を満足する土砂を生成できるシステムを提案することが可能となった. (2)繊維質固化処理土を軽量裏込め材として利用した場合の経済効果についての試算を行った.その結果,従来工法よりもコストが安くなることが確認された.
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