研究課題/領域番号 |
16360460
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
竹入 康彦 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60179603)
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研究分担者 |
長壁 正樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90280601)
池田 勝則 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20321614)
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キーワード | アルフベン固有モード / 高エネルギー粒子 / ヘリカル型装置 / 中性粒子入射加熱装置 / 中性粒子分析器 / 減速過程 |
研究概要 |
大型ヘリカル装置(LHD)では、高エネルギー接線NBI加熱ビームによるアルフベン固有モードの励起が観測されているが、アルフベン固有モードにより損失した高エネルギー粒子の位置を同定するために、赤外線(IR)カメラをLHD正面ポートに設置して、内側ダイバータ周辺部のカーボンタイルの熱負荷分布計測を行った。測定光学系・画像処理系・データ処理系等の整備を行うことにより、プラズマからのダイバータ・トレースとは異なった位置にトレース状の温度上昇を観測した。この温度上昇部は、高エネルギー粒子の軌道計算から予測される損失領域に対応しており、また、磁場強度を変化させるとその温度上昇トレース位置も変化していることから、高エネルギー粒子の真空容器内表面上への損失位置を観測していると考えられる。これにより、磁場揺動計測から観測されるバースト的なアルフベン固有モードの励起と同期した高エネルギー粒子の損失を同定することが可能となった。また、バースト的なアルフベン固有モードにより径方向へ輸送されるNBI高エネルギー粒子の高時間分解測定を行うため、接線E//B(電場・磁場平行)型NPA(中性粒子分析器)のエネルギー分布測定の時間分解能を向上させた。NBIの短時間パルス繰り返し入射(NBI-blip)実験により高エネルギーNBI粒子の減速過程を調べ、MHD揺動の影響のないプラズマにおける高エネルギー粒子の閉じ込めが古典的に記述できることを実験的に明らかにした。この結果は、MHD揺動として観測されるアルフベン固有モードによる高エネルギー粒子の閉じ込め・輸送の変化を調べる基礎データとなる。以上の成果により、高エネルギー粒子を損失させるモードの同定、損失高エネルギー粒子の空間的損失位置の測定、高エネルギー粒子の損失量の評価、等の研究へと発展させることが可能となった。
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