研究課題
JT-60Uにおいて可動静電プローブによりELMおよびSOLプラズマ揺動中の非拡散輸送の解明を行うため実験データの解析を進めた。超高速テレビカメラを使用した光学システムを完成し測定を開始した。(1)超高速テレビカメラによる計測:平成16年度購入した、超高速テレビカメラを使用した計測システムを完成しトカマク本体に設置した。カメラ操作およびプラズマ放電に同期した撮影・データ収集を全て遠隔で行う制御システムを製作し、平成18年2月から測定を開始した。最高撮影速度(約100kHz)で撮影を行うため、現在、実際のプラズマ放電を利用して調整を行っている。(2)可動静電プローブによる高・低磁場側SOLにおける揺動およびELMプラズマの挙動を解明:平成18年3月に初めて高・低磁場側に設置した可動静電プローブでSOLプラズマの挙動を測定した。(2-1)低磁場側赤道面でのイオン飽和電流の揺動レベルは、他の位置(ヌル点および高磁場側SOL)と比較し、3から10倍程度に大きいことを観測した。さらに、統計的手法(確率分布関数)により揺動を解析した結果、低磁場側SOLのプラズマ境界から5-7cm外側においてのみ、通常のランダムな揺動(ガウシアン分布)とは異なるバースト的プラズマ集団揺動が発生することを明らかにした。(2-2)平成16年度は、低磁場側でELM発生時のイオン飽和電流の増加中(数100μs)に発生した複数の大きなピーク(10-30μs)の伝搬速度を評価した。高磁場側SOLで、急激なイオン飽和電流の増加がある一方で大きなピークは観測されないことを明らかにした。これらの結果からバースト的なプラズマ集団輸送は低磁場側で発生し、高磁場側への伝搬は少ないことを初めて明らかにした。今後、プラズマ映像を撮影し2次元空間構造を明らかにし、低磁場側第一壁への粒子及び熱流の輸送について評価を行う。
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