研究課題
基盤研究(B)
スクレイプオフ層(SOL)に放出された熱流と粒子流は、磁力線方向へ輸送される同時に第一壁方向へ磁力線を横切り運動する。JT-60Uにおいて可動静電プローブによりSOLプラズマの動的特性を明らかにし、高速テレビカメラを使用した光学システムを製作し、プラズマ揺動およびELMによるバースト的な非拡散的な輸送現象の観測を開始した。外側赤道面およびダイバータに設置された可動静電プローブによりSOLプラズマを500kHzで高速測定し、揺動の性質およびELMプラズマの挙動を調べた。特に統計的手法(確率分布関数)により赤道面におけるイオン飽和電流の揺動レベルを解析した結果、プラズマ境界から5-7cm程度外側において、通常のランダムな揺動(ガウシアン)分布とは異なるバースト的プラズマ集団揺動が発生していることを初めて明らかにした。また、ELM発生時に急激なイオン飽和電流の増加時間(数100μs)にさらに複数の大きなピーク(10-30μs)が観測され、その半径方向の伝搬速度(1.3-2.5km/s)は他のトカマクより速いことを明らかにした。平成16年度に、高速テレビカメラ(フォトロン社製FASTCAM MAX II-S)の購入および光ファイバー・光学システムの設計を行なった。平成17年度に計測システム全体を構築し、トカマク装置への光ファイバーを設置した。カメラ操作・プラズマ放電に同期した撮影・データ収集を全て遠隔で行なえるように制御システムを製作し、平成18年2月から測定を開始した。現在、実際のプラズマ放電を利用して、最大視野(32x32cm)領域の周辺プラズマを撮影レート(10kHz)で撮影試験を行っている。最高撮影速度(100kHz)で撮影を行うため、視野の調整やプラズマ密度を増加する実験を提案中であり、特徴的なプラズマ集団揺動およびELMプラズマのバースト現象の2・3次元の空間構造とその動的変化の測定を行う。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (11件)
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