研究課題
基盤研究(B)
本研究では、内部輸送障壁(ITB)によって閉じ込めが大幅に改善するものの、この強い圧力障壁構造を安定に制御することが困難な負磁気シア(凹状電流)プラズマのディスラプション特性を明らかにする。同時に、ディスラプションを迂回しながら高自発電流プラズマを高ベータ化する安定運転経路を明らかにし、ディスラプション緩和と整合した実用的な核融合炉設計指針と先進運転シナリオを提示することを目的としている。これを行うため本年度は、磁気面破壊のモデルを組み込んだ磁気流体シミュレーションを進め、先進運転シナリオの有力配位とされ中心部に高圧力領域を持つ負磁気シア・プラズマで危惧されているディスラプションについて、その際の自発電流消滅と誘導電場生成の空間拡散挙動などの諸特性を明らかにした。特に、熱消滅時のプラズマ電流のスパイク現象は、従来考慮されてこなかった周辺電磁構造体に影響されることを初めて示し、これまで謎とされてきた"負スパイク現象"など多様な挙動の物理背景を明らかにした。また、負磁気シア・プラズマでは、凹状電流が凸状に急変する分布構造変動が起きるため、電流消滅現象が速くなることを明らかにするなど、炉心級高ベータ・プラズマに一般化し得るディスラプション挙動の統一的な物理解釈を与えた。併せて、ITBの複雑分布構造と整合した高自発電流プラズマの自己無撞着な電磁流体シミュレーション・モデルの開発を進め、これに非誘導的な外部電流駆動のモデルを組み込むことで、ITBの形成過程や電流分布構造の外部制御性を調べた。その結果、外部駆動電流でプラズマ電流を立ち上げる際強いNBI加熱を行うと、自発電流によって電流ホールが自己形成されることを示した。また、自発電流を利用したプラズマ電流立ち上げやその際の制御コイルの電流再励起シナリオ、さらに、外部駆動電流と自発電流との自律的な競合現象と制御性などに関する重要な知見を得た。
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Plasma Phys.Control.Fusion 46
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