研究課題
(1)分離係数の放電条件依存性をしらべる実験的研究これまでの結果から放電電流を減少させることで大きな同位体分離係数が得られることがわかっていたが、その理由は明らかではなかった。そこで、オシロスコープを使って電流波形をモニタリングしたところ、高い分離係数が得られるときにはパルス状の放電が生じていることがわかった。また、バラスト抵抗を減少させるか、コイルを回路に直列に追加させ回路の時定数を大きくすることで、さらに分離係数が上昇することがわかった。これらのことから、タイムアフターグロー放電が同位体分離のために重要であるという知見が得られた。(2)炭素14分離プロセスのプロセスシミュレーションCOプラズマ中のプラズマ化学反応を用いた炭素同位体分離法を、日本原子力発電東海発電所の廃棄グラファイト材から^<14>Cを回収するプロセスへ応用することの評価を行った。まず、COプラズマ中の反応過程の速度論モデルの数値解析により、過去の我々の実験で^<13>C分離係数2.31が得られたときと同じ放電条件において、^<14>C分離係数4.6が得られることを推算した。この^<14>C分離係数4.6を局所分離係数と考え^<14>C回収プロセスの数値解析を行なった結果、回収部の段数を3段とすることで減損流^<14>C濃度をICRP勧告値へ、16段とすることで大気中濃度へと低減できることを、また、濃縮部の段数を9段とすることで濃縮流^<14>C総量を1/10^3へ、19段とすることで1/10^6へと減容化できることを推算した。回収部3段、濃縮部9段とした場合、プラズマリアクターでの消費電力が約15kw、プラズマ反応器の最大内径が約60cmであると推算された。
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