(1)より高い分離係数を得るための実験 まず、パルス周波数依存を調べる実験を行った。パルス周波数を様々に変化させて実験を行ったところ、最も低い10Hzにおいて最大の分離係数が得られた。次に、パルス印加時間が分離特性に与える影響を調べた。パルス周波数を固定したままで、パルス印加時間を様々に変化させて実験を行った。その結果、予想に反してパルス印加時間が長いほど高い分離係数が得られた。これは、総電流量一定で実験を行ったため、パルス印加時間が短い場合に電流密度が増加してしまい、分離係数が減少してしまった為とわかった。ネオントランスを用いた自励パルス放電において分離係数が最大となった場合の解析結果から、パルス幅のみの影響を考えた場合には、数μ秒程度の極短パルス放電が分離に最適との結論が得られた。 (2)東海発電所の廃棄黒鉛材から14Cを回収するプロセスのシミュレーション より定量的な評価を行うために、濃縮流と減損流の炭素14到達目標値を政令濃度に設定し、またその際分離コストの上限値を東海発電所の廃止費用見込額(約885億円)の1%に設定し、プロセスシミュレーションを行った。その結果、回収部の段数を2段とすることで減損流14C濃度を政令濃度レベル2(浅地中処分)上限値以下へ、9段とすることで政令濃度レベル3(素掘り処分)上限値以下へと低減できることを、また、濃縮部の段数を11段とすることで14C濃度を政令濃度レベル1(余裕深度処分)上限値以下を保ったまま濃縮流14C濃度を約1/4000へと減容化できることを推算した。 (3)生成したCO_2をCOへと還元する手法の開発 生成物を供給物質へと再転化しカスケーディングするための技術開発を目的に、生成したCO_2をCOへと転化する研究を行った。その結果、マイクロプラズマリアクターを用いることで、容易に90%以上の転化率が得られることがわかった。
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