研究課題/領域番号 |
16360474
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243055)
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研究分担者 |
柴田 裕美 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30216014)
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
松尾 二郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40263123)
土田 秀次 京都大学, 工学研究科, 助手 (50304150)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 液体分子線 / 二次イオン / 二次電子 / イオン照射 / 生体細胞 / 放射線応答 / エネルギー損失 / 非弾性衝突 |
研究概要 |
本研究は、水溶液ジェット標的を真空内に作成し高速イオンビームとの衝突相互作用を探ることを目的とした世界に類例の無いものである。実験技術は要素技術を除いては十分に確立されたものでなく、装置の立上げに大分の時間を費やした。即ち、液体ジェット技術の確立、パルスイオンビームの最適化技術の確立、並びに二次イオンの高効率検出、の3課題を中心に実施した。これらの課題は最終年度においてほぼ解決することができ、現在様々な衝突反応データを系統的に測定できる状況に至っている。 水溶液ジェットとして水とアルコールを用いた実験では、放射線物理学や放射線医療の分野で重要となる高速イオンエネルギー損失量(阻止能)を世界に先駆けて測定し、国際会議、日本物理学会、国内諸研究会・セミナー等で発表すると共に、学術論文に結実させた。また、この研究期間中、本研究課題を補完するものとして、関連実験手法を用いた幾つかの実験的研究を実施した。先ず、水溶液とする予定の9種類のアミノ酸分子を単体で用意し、高速イオン照射による二次電子エネルギー分布を測定した。次に、安定高分子の代表とみることのできるフラーレンC60分子に対する一連の同時測定実験を行った。以上の関連研究の成果はいずれも学術論文として発表している(次頁記載)。 水とエタノールの陽子線に対する阻止能測定では、20-50ミクロン径のジェット標的を作り、2MeV陽子ビームの透過後のエネルギーを半導体検出器で精密に測定した。特に、入射イオン量モニターと気体雰囲気からのバックグラウンド寄与を除外するために検出器を2個設置し微小角散乱した陽子線のエネルギーを測定した。実験結果と多重散乱理論モデルによる計算値との比較を行い液相状態の阻止能量を精密に決定した。放射線物理の分野で一般的に使用されているSRIMコードからの推定値とは約10%の差異があり、本研究によりSRIM値の信頼性に初めて警鐘を鳴らすことができた。
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