研究課題/領域番号 |
16360476
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115988)
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研究分担者 |
堀池 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252611)
清水 喜久雄 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 助教授 (20162696)
佐藤 文信 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (40332746)
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キーワード | マイクロX線ビーム / マイクロフォーカスX線源 / 蛍光X線元素分析 / 光ピンセット / 光学顕微鏡観測 / 単一細胞照射 / バイスタンダー効果 |
研究概要 |
近年、癌の粒子線・放射線治療の基礎研究として、細胞組織の特定領域や単一細胞にX線やイオンビームを照射し、その生物学的影響について調べられている。本研究では、培養液中の細胞にX線マイクロビームを正確に照射する装置を開発した。照射チェンバー内の培養細胞を、光ピンセットを利用して位置操作を行い、配列された細胞集団にX線マイクロビームを照射し、その様子を観測した。 X線マイクロビーム照射装置はマイクロフォーカスX線菅、X線導管、蛍光X線分析用X線検出器、サンプルステージ、光学顕微鏡、レーザー等から構成されている。X線菅、X線導管、X線検出器は真空チェンバー内に設置されている。マイクロフォーカスX線菅からのX線はガラスキャピラリを利用して、真空窓から大気中に取り出され、最小10μmのX線ビームスポットを得ることができる。光学顕微鏡で培養中の細胞試料を観測し、ターゲット細胞にX線マイクロビームを照射する。また、光学顕微鏡の対物レンズにレーザー光を導入し、培養中の細胞の位置操作や、寒天培地層のレーザー加工が可能となっている。 X線マイクロビーム照射実験には、放射線に対して高い感受性をもつ酵母細胞(rad52)を用いた。試料チェンバーは、液体培地で満たされており、X線照射のための酵母細胞が個々のマイクロピットに配置されている。照射チェンバーの底面ガラスには酸化銅、コラーゲン、寒天層が施されている。はじめに、波長532nmのCWレーザーを用いて、寒天層に直径15μm程度のマイクロピットを形成し、次に、光ピンセット用レーザー(波長1064nm)を用いて各々の細胞をマイクロピット内に移動させた。細胞集団の特定細胞にX線マイクロビームを吸収線量60Gyまで照射し、30℃で20時間観察した。X線照射された細胞にはほとんど変化が観られなかったが、非照射細胞では成長や分裂の様子が観察された。
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