研究概要 |
線虫の体壁筋で発現する筋肉遺伝子(群)の発現時期と発現量を制御する転写因子(複合体)を単離同定する目的で、CeMyoDの遺伝子hlh-1のイントロン内にある3つのエンハンサー配列に結合する転写因子複合体について調べている。これまでに酵母ツーハイブリッド法でCeMyoDと結合する3つのLIMドメインを持つ蛋白質LIM-8と,酵母ワンハイブリッド法でhlh-1にあるエンハンサー配列と結合する2つのCCH型Znフィンガーを持つ蛋白質CeTIS11を単離した。これらの蛋白質がin vitroで直接結合するかどうか、線虫の筋肉でどのように分布しているかを調べた。CeMyoDがLIM-8および、CeTIS11と結合するかどうかを大腸菌で生産した蛋白質を用いて、SDS-PAGEおよびウエスタンプロッティング法で調べた。CeMyoDをオーバーレイした時にのみLIM-8および、CeTIS11と結合する事を見いだした。抗CeTIS11抗体と2重染色法により調べて、CeTIS11はCeMyoDおよびLIM-8と体壁筋に存在する事を確かめた。3番目のエンハンサー配列に結合する因子の単離を酵母ワンハイブリッド法により行ったが単離出来ていない。以上の結果を第2回東アジア線虫集会(ソウル)および、第78回日本遺伝学会(つくば)、第29回日本生物学会(京都)にて発表した。また、線虫に存在する繰り返し配列の一つbs258配列が体壁筋で発現する遺伝子に対してエンハンサー活性を持つ事見いだしてGeneに発表した。
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