研究課題
基盤研究(B)
1.エキシンの形成機構の解明エキシンの構造が異常になるシロイヌナズナの突然変異体shepherd(shd)の解析を行った。その結果、SHD遺伝子は花粉四分子期のタペート細胞で働き、タペート細胞側からのスポロポレニンの供給に重要な働きをしていることを明らかにした。次に、エキシン形成に関与する遺伝子をさらに同定するため、直接エキシンを観察する方法でEMS処理したシロイヌナズナのスクリーニングを行った。その結果、エキシンがほとんど欠失するもの、バキュラやテクタムの構造が不完全になるもの、エキシンの網目が細かくなるものなど、多数の突然変異体を単離し、これらをkaonashi(kns)突然変異体と命名した。2.ポレンコートの形成機構の解明ポレンコートを形成することができないため不稔になるシロイヌナズナの突然変異体flaky pollen1-1(fkp1-1)の解析を行い、このアリルは完全なFKP1タンパク質をコードするものの、少なくともタペート細胞では発現が著しく減少していることを見いだした。電子顕微鏡観察の結果、fkp1-1では、タペート細胞の脂質蓄積性オルガネラであるタペートソームとエライオプラストの構造が著しく異常になっていた。したがって、FKP1の関与するメバロン酸経路は、ポレンコートの原料となる両オルガネラの正常な形成に重要な働きを持つことがわかった。一方fkp1のヌルアリルは雄性配偶体致死になることが見いだされ、メバロン酸経路は花粉内部でも重要であることがわかった。さらに、EXTRACELLULAR LIPASEがポレンコート形成に必須であることを見いだした。3.ジャスモン酸による開花の促進とそれに伴う花器官と花粉の成熟機構の解明少なくともシロイヌナズナでは、ジャスモン酸は花粉成熟作用とともに開花促進作用があることを見いだした。そして、蕾でのジャスモン酸生合成はオーキシンにより調節されているらしいことがわかってきた。
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