研究課題
基盤研究(B)
空色西洋アサガオ(Ipomoea tricolor cv.Heavenly blue)のツボミは赤紫色で開花時に青色となる。既に我々は、この花色変化が液胞pHの上昇によることを、細胞内微小pH電極を用いた液胞pHの直接測定により明らかにしている。この現象は液胞膜上に存在する種々のポンプ、輸送体の統合的な働きによるものであると考えられ、液胞pHが弱アルカリ性まで上昇する植物生理学的にも、極めて興味深い現象である。そこで、アサガオ花弁から着色プロトプラストを単離して、その液胞膜を精製し、液胞膜上のイオン輸送に関与するタンパク類の局在と活性を調べた。開花ステージの異なる空色西洋アサガオ花弁からら短時間の酵素処理により着色プロトプラストを得て、これから液胞膜小胞を調製した。日本アサガオの花色変化にNHX1が関わるとの飯田らの報告を参考に、抗NHX1ペプチド抗体を作成した。液胞膜小胞の免疫ブロッティングによりV-PPaseが開花時に増加することと、開花花弁の液胞膜に抗NHX1抗体に反応する50kDaのバンドが検出され、ツボミ花弁では検出されないことがわかった。アサガオの各組織から粗膜を調製してNHX1の局在を調べたところ、このタンパクは開花花弁の表層細胞の液胞膜だけに局在した。さらに、液胞膜小胞を用いて、プロトンポンプにより形成されたH^+濃度勾配を利用したNa^+輸送能が検出できた。アサガオは開花時にV-ATPase、V-PPase、NHX1が協調して液胞pHを上昇させる機構が存在し、これにより青色となる機構を明らかにできた。
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