研究課題
(1)昨年度Microarray法およびHiCEP法を利用して、サイトカイニン応答転写因子ARR1の直接標的と同定された遺伝子についてその上流部分を解析したところ、in vitro実験でARR1がDNA結合する特異配列(G/A)GAT(T/Cが有意に高頻度で現れることを確認した。標的遺伝子の一つARR6のプロモーター領域のDNAフラグメントを利用してゲルシフト法で解析したところ、上記特異配列を含む断片がARR1によって認識されることを確認した。現在、in vivoでもこれら配列がARR1を介したサイトカイニン誘導に必要か否かを解析中である。(2)サイトカイニン受容体CRE1の欠損株wolでは維管束細胞が極度に減少している。これは維管束細胞の生成に必要な平層前形成層での細胞分裂が起こらず(サイトカイニン応答の低下による)protoxylemへと分化して留まっていることによる。さらにwolの影響を抑制する変異株を分離したところAHP6遺伝子欠損を得た。wol ahp6二重変異株では維管束細胞が増加し、前形成層や篩部細胞が生じた。AHP6遺伝子の発現がサイトカイニンによって抑制されることから、AHP6はサイトカイニンシグナル伝達を抑制(AHP1-5との拮抗作用による)することによってprotoxylemへの分化を規定し、AHP6がサイトカイニンシグナル伝達の制御回路を形成し、維管束生成に重要な役割をはたしていることが明らかになった。(3)サイトカイニンシグナル伝達に関わる二成分制御系タンパク質それぞれを大腸菌あるいは昆虫細胞で過剰発現させることを試み、一部分は生化学反応が可能な程度まで過剰発現した。
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