研究課題
基盤研究(B)
サイトカイニン受容体のタンパク質ヒスチジンキナーゼCRE1とサイトカイニン応答転写因子(タイプB)ARR1とが植物個体において実際に共通の細胞内シグナル伝達系を構築していることを、CRE1欠損がARR1の活性化により抑制されことで確認した。またin vitro系においてCRE1が自己リン酸化反応を行い、そのリン酸基をHPt介在因子(AHPs)を介してARR1へ転送し、原核生物と同様のHis-Aspリン酸リレーが起こることを示した。次いで、ARR1の直接の標的遺伝子を網羅的に探索し、10種全ての非転写因子型(タイプA)応答因子、転写因子群、サイトカイニン代謝酵素、病傷害応答性タンパク質など多種多様なタンパク質群をコードする遺伝子を同定し、その大部分がサイトカイニン初発応答遺伝子であることを明らかにした。また、各標的遺伝子に対するARR1の寄与にはばらつきがあり、タイプB応答因子群が機能的に重複しているものの、各標的遺伝子に対する優先度に差異があることも示した。これらの結果は、サイトカイニン初発応答遺伝子群のほとんど全てがタイプB応答因子群によって転写誘導され、このHis-Aspリン酸リレー制御系以外のサイトカイニンシグナル伝達系は、少なくともシロイヌナズナには存在しないことを示唆している。さらにCRE1欠損の抑制実験から、疑似HPt介在因子AHP6がサイトカイニンシグナル伝達を抑制することによって維管束形成に重要な役割をはたしていることを示した。このAHP6による抑制は介在HPt因子との拮抗作用によるものと考えられ、介在HPt因子がCRE1とARR1とを介在していることをさらに強く示唆している。
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すべて 雑誌論文 (12件)
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