研究課題/領域番号 |
16370031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菊山 榮 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20063638)
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研究分担者 |
加藤 尚志 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80350388)
幸喜 富 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (70350436)
岩田 武男 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (10350399)
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キーワード | 動物形態 / 実験形態 |
研究概要 |
両生類ではじめてTSHの放射免疫測定法を開発した。それを用いて両生類脳内に存在する神経ペプチドのTSH放出活性をしらべることが可能になった。その結果哺乳類由来CRFが強いTSH放出活性を有することがわかった。両生類(ウシガエル)自身のCRFの活性をしらべるため、CRF前駆体のcDNAから堆定されるアミノ酸配列より合成したウシガエルCRFを用いて、TSH放出活性を確認した。更にCRF受容体アンタゴニスト、アゴニストを用いた実験より、TSH放出はtype 2受容体を介することがわかった。尚、視床下部に存在するTSH放出活性は、CRFアンタゴニストを十分量作用させても50%までしか低下しないことからCRF以外の因子の存在も示唆された。事実CRFの他に、ソーヴァジン、PACAPにかなりのTSH放出活性があり、成体下垂体に対してはTRH、LHRHなどにも弱いながらも放出活性がみとめられた。一方、ソマトスタチンにはTSH放出抑制作用がみられた。 下垂体の血管生成抑制・促進因子を単離するためのウシ大動脈より得た内皮細胞の培養系によるアッセイ法を確立したが、狂牛病規制で屠殺直後の動脈入手が困難で他の方法を模索している。 脳下垂体の系統・個体発生に関する研究では、神経隆起由来である下垂体原基のモノクローナル抗体の一つが下垂体、嗅上皮、膵臓外分泌細胞を認識することに端を発し、同抗体は膵臓でキチナーゼを認識していることことがわかり、脊椎動物で初の膵臓由来のキチナーゼの発見につながった。キチナーゼ産生細胞と下垂体細胞との系譜が同じであるかどうかが今後の課題である。一方、上記抗体の認識する嗅上皮に存在する物質の同定のためアフィニティークロマトグラフィーによる単離を続行しているが、免疫電顕による解析によると、同物質は神経終末顆粒を認識することが判明した。
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