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2005 年度 実績報告書

寄生性渦鞭毛藻類の多様性と起源の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16370039
研究機関北海道大学

研究代表者

堀口 健雄  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20212201)

研究分担者 大塚 攻  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00176934)
キーワード寄生性渦鞭毛藻類 / 海洋環境DNA / 分類 / 生物多様性 / 原生生物 / 分子系統学 / 微細構造 / アルベオラータ
研究概要

本研究は,主に我が国沿岸に生息する寄生性渦鞭毛藻類の多様性を明らかにし,それらの進化過程を解析することを目的に進めている。本年度も昨年度に引き続き海産の動物プランクトンに寄生する渦鞭毛藻類を中心とする研究をおこなった。特に,透過型電子顕微鏡を用いた微細構造データと分子系統学的なデータを合わせて取得することを目指した。分子系統学的研究は単細胞PCRの技法を用いた18SrRNA遺伝子の解析によった。本年度明らかになった主な点は以下の通りである。
1)以前Hematodiniumの一種と同定したカイアシ類の寄生生物はSyndiniumの一種であることが判明し,分子系統樹ではSyndiniumのタイプ種と姉妹群になるものの遺伝的にはかなり離れていることが明らかとなった。微細構造は典型的なシンディニウム目の特徴を示した。2)Blastodinium crassum var.inornatumとB.hyarinum(宿主:カイアシ類)の2種の存在を明らかにし,前者については微細構造データを得,寄生性でありながら葉緑体を有していることを示した。またこの群では初めて分子データを得ることに成功し,系統的にはいわゆる典型的な渦鞭毛藻類の仲間に含まれることを示した。3)有鍾繊毛虫に寄生する、Dubosquella aspidaの微細構造と分子データを得た。系統的には,本種はいわゆる海洋環境DNAサンプルのみで構成されていたMarine Alveolata Group Iに位置することを明らかにしたが,これはこの群で初めての生物としての実体を伴った構成員の報告例である。4)現在まで,我が国沿岸から5属8種類の寄生性渦鞭毛藻類の生育を明らかにした(うち7種が日本新産種)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Acquiring scanning electron microscopical, light microscopical and multiple gene sequence data from a single dinoflagellate cell.2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Takano
    • 雑誌名

      Journal of Phycology 42・1

      ページ: 251-256

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 日本沿岸の寄生性渦鞭毛藻類の分類学的研究の現状と課題2006

    • 著者名/発表者名
      堀口健雄
    • 雑誌名

      日本プランクトン学会報 53・1(印刷中)

  • [雑誌論文] Heterocapsa psammophila sp.nov.(Peridiniales, Dinophyceae), a new sand-dwelling marine dinoflagellate.2005

    • 著者名/発表者名
      M.Tamura
    • 雑誌名

      Phycological Research 53・4

      ページ: 303-311

  • [雑誌論文] Pyramidodinium atrofuscum gen.et sp.nov., a new coccoid marine dinoflagellate from tropical waters.2005

    • 著者名/発表者名
      T.Horiguchi
    • 雑誌名

      Phycological Research 53・4

      ページ: 247-254

  • [雑誌論文] Pileidinium ciceropse gen.et sp.nov.(Dinophyceae), a sand-dwelling dinoflagellate from Palau.2005

    • 著者名/発表者名
      M.Tamura
    • 雑誌名

      European Journal of Phycology 40・3

      ページ: 281-292

  • [雑誌論文] Galeidinium rugatum gen.et sp.nov.(Dinophyceae),a new coccoid dinoflagellate with a diatom endosymbiont.2005

    • 著者名/発表者名
      M.Tamura
    • 雑誌名

      Journal of Phycology 41・3

      ページ: 658-671

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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