研究概要 |
PXドメイン(約140残基)のリガンドとしてSH3ドメインが想定されている.しかし,このPX-SH3相互作用は完全には証明されていない. そこで,酵母ゲノムに存在するすべてのPXドメイン(15種のタンパク質に15個)とSH3ドメイン(25種のタンパク質に31個)の相互作用の有無を総当たりで調べることを計画している.PXドメインおよびSH3ドメインをGST融合タンパク質として発現させた.そのうち発現量の多いものを選び,プロテアーゼ処理で切り出したPXドメイン(MDM1、VPS5、VPS17、SNX3、SNX4)とGST融合SH3ドメイン(BOI1、BOI2、BUD10b、FUS1、LSB1、MYO3、MYO5、PEX13)の組み合わせで,プルダウンアッセイを行ったが結合は見られなかった.VAM7-PXドメインとSH3ドメイン(BBC1、BOI1、BOI2、BUD10a)の組み合わせで、酵母ツーハイブリッドによる相互作用解析を行ったが結合は見られなかった.これら以外に,1個(SNX4)のPXドメインと、13個(ABP1、BUD10b、BUD10c、BUD14、CDC25、CYK:3、FUS1、HOF1、HSE1、MYO3、MTO5、NBP2、PEX13)のSH3ドメインについてツーハイブリッド用のベクターの作成を完了した. PXドメイン(CVT20、SNX3、SNX4、VPS5、VPS17、MDM1、YHR105R)について単独での結晶化スクリーニングをおこなった.SNX3-PXは分解能2.0Åの回折データが得られているが,他グループにより構造決定の報告がなされた.MDM1-PXでは針状結晶が得られている.VPS17-PXについてはNative分解能2.3Å、SeMet分解能2.8Åの回折データが得られて,現在,構造解析中である.
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