研究課題
基盤研究(B)
平成16年度においては、1)ユビキチン認識モチーフのユビキチン認識に関する構造生物学、2)ポリユビキチン鎖の溶液中での高次構造の特徴のNMRによる解析、3)SUMO化蛋白質の構造と機能に関する研究、を進めた。ユビキチン認識モチーフのユビキチン認識に関する構造生物学については、酵母Dsk2の持つユビキチン認識モチーフであるUBAドメインとユビキチンの複合体の溶液中での立体構造を基に、UBAドメインの行うユビキチン認識について、変異体解祈などの結果を使って詳細な解析と考察を行った。その結果、UBAドメインは似たフォールドを持つCUEドメインと、似通ったユビキチン認識を行うことが判った。しかし少なくとも米国のグループによって報告されているCue2-1のCUEドメイン-ユビキチン複合体とは、ユビキチンのLys48付近との相互作用に差異が見出された。ポリユビキチン鎖の溶液構造に関しては、平成15年度に主に行ったLys48リンク、Lys63リンクの2量体、4量体ユビキチンのNMRによる溶液中での構造的特徴の解析に引き続き、Lys48リンクの3量体ユビキチンの解析を行った。また4量体ポリユビキチンについても更なる解析を行い、K48リンクのポリユビキチンにおける隣接サブユニット間の会合の平衡を示唆するデータを得た。但し、この検証には今後の詳細な解析を必要とする。SUMO化蛋白質の構造と機能に関する研究については、平成15年度に進めたp53のSUMO化の機能的、生化学的な解析に引き続き、チミンDNAグリコシラーゼの酵素活性ドメインからSUMO化部位を含む中央部分のSUMO化体の構造解析を進め、一定の進歩を得た。またSUMO化されたRanGAP1とUbc9とRanBP2の一部を含む、複合体の結晶化スクリーニングを行った。
すべて 2004 その他
すべて 雑誌論文 (6件)
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