研究課題/領域番号 |
16370055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島 礼 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10196462)
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研究分担者 |
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
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キーワード | プロテインホスファターゼ / PP2A / MAPK / MAPKホスファターゼ / ユビキチン / LDP / 浸透圧刺激 / siRNA |
研究概要 |
1.ホスファターゼによる転写・翻訳制御機構 2型セリンスレオニンプロテインホスファターゼ(PP2A)の内在性阻害タンパクである、I-1^<PP2A>/pp32およびI-2^<PP2A>/SETのノックダウンにより、細胞の増殖が早くなり、MEK/ERKの著しい活性化が認められることを見いだした。I-1^<PP2A>/pp32とI-2^<PP2A>/SETは核に存在することから、転写因子の脱リン酸化の阻害を介してMEK/ERKの活性化に働く機構が考えられた。 2.ホスファターゼによる細胞外シグナルの核への伝達制御機構 (1)MKP-7:我々は、活性化ERKがMKP-7のSer-446がリン酸化されることを明らかにしていたが、その生理的な意義は不明であった。今回MKP-7がユビキチン/プロテオゾーム系で分解されるタンパクであることを明らかにした。さらにリン酸化型MKP-7の半減期が、脱リン酸化型のそれに比較して著しく長くなることを明らかにした。従って、ERKの活性化により、本来不安定なタンパクであるMKP-7が安定化し、JNKの活性化をさらに抑えるという新しい機構を提示することができた。 (2)LDP-1:LDP-1のMAPKカスケードに対する影響を調べた。LDP-1はソルビトール刺激によって惹起されるJNKとp38の活性化を著しく増強させた。様々な刺激をスクリーニングすることにより、この現象が浸透圧による刺激に特異的であること、作用点は少なくともMAPKKのレベル以上であることが明らかとなった。ホスファターゼ分子のうちでMAPK刺激を増強する作用を持つものがあることを示した初めての報告である。この分子機構を明らかにすることにより、従来不明であった浸透圧刺激の伝達系の解明につながることが期待できる。 3.ホスファターゼによる細胞形質の制御 PP1の3種類の触媒サブユニットのノックダウンに成功し、それらの形質を明らかにした。
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