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2005 年度 実績報告書

新規の癌抑制遺伝子DA-Rafの同定とその生理的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16370058
研究機関千葉大学

研究代表者

遠藤 剛  千葉大学, 理学部, 教授 (30194038)

キーワードRas / M-Ras / DA-Raf / ERKカスケード / 骨格筋細胞分化 / myogenin / Rb
研究概要

当研究室で新たに同定したDA-RafはA-Rafの新規スプライシングアイソフォームで,A-RafのRas結合部位をもっているが,キナーゼ部位を欠損している.DA-RafはRasとM-Rasに結合し,v-K-Rasによる細胞のトランスフォーメーションと腫瘍形成を著しく抑制した.したがってDA-RafはRafの内在性のドミナントネガティブ体として作用することにより,Ras-ERK/MAPキナーゼカスケードシグナリングの新規の阻害因子として機能していると考えられる.Ras-ERKカスケードは,筋特異的MyoDファミリー転写因子の発現抑制を介した骨格筋細胞分化の抑制に働いている.そこで本研究では,DA-Rafが骨格筋細胞分化の誘導にかかわっているかどうかを明らかにし,またその分子機構を解明することを目的とした.マウスC2C12骨格筋細胞の分化の過程では,DA-RafのmRNAと蛋白質がともにMyoDファミリー転写因子myogeninの発現に同調して顕著に誘導されることが,RT-PCRおよびイムノブロッティングにより示された.またDA-Rafを過剰発現させたC2C12細胞では,myogeninならびにミオシン重鎖やtroponin Tなどの筋特異的蛋白質の発現が促進された.さらにBrdUの取り込みで示されるDNA合成が抑制された.一方,RNAiによりDA-RafをノックダウンしたC2C12細胞では,myogeninの発現と筋管細胞形成が顕著に抑制された.したがってDA-RafはRas-ERKカスケードを阻害することにより,筋細胞分化を生理的に誘導していることが明らかになった.またルシフェラーゼアッセイにより,DA-Rafを過剰発現させたC2C12細胞では,myogeninプロモーターやRbプロモーターを介した転写が活性化された.このことはDA-RafがmyogeninやRbの転写を活性化することにより,筋細胞分化における筋特異的遺伝子の発現と細胞周期のG0期への停止を引き起こしている可能性を示している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Assays for functional properties of Rab34 in macropinosome formation2005

    • 著者名/発表者名
      Sun, P.
    • 雑誌名

      Methods Enzymol. 403

      ページ: 229-243

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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