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COを生理的なエフェクターとする転写調節因子CooAの構造機能相関解明のためには、その分子構造に関する情報が必要不可欠である。本研究では、申請者らが新たに見い出した、好熱性一酸化炭素酸化細菌Carboxydothermus hydrogenoformans由来のCooAホモログを用い、CO結合型CooA、およびCooAと標的DNAの結晶構造の解明を目的とし、本CooAホモログの精製および結晶化条件の検討を行った。その結果、動的光散乱法による分散度測定において単分散状態を示す試料を精製することに成功した。この試料を用いて、まず酸化型においてタンパク質単結晶の作成を試み、結晶が生成するいくつかの反応条件を見い出した。
結晶化条件の検討と並行し、CooAによるCOセンシング、標的DNAの特異的認識、および転写活性化の分子機構、ならびにCOによるCooAの機能性御機構の解明のため、CooAホモログ中に含まれるヘムの配位構造を決定し、その性質について詳細な検討を行った。その結果、本CooAホモログはこれまでのCooAとは異なる配位構造、および約500mV正にシフトした酸化還元電位を示すことを明らかにした。
酸素センサータンパク質HemATの酸素センシングの分子機構解明を目的とし、共鳴ラマンスペクトルの測定によりヘム近傍構造の詳細な解析を行った。その結果、HemATにおいてはヘムに配位した酸素分子に対し、これまでに例のない特異な様式で水素結合が形成されていることを明らかにした。
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