研究課題
基盤研究(B)
1.Mid1の構造-機能相関を明らかにする目的で、Mid1のアミノ末端から356番目のフェニルアラニン残基(Phe-356)に注目し、Phe-356をさまざまなアミノ酸に置換した。その結果、サイズの小さなアミノ酸残基に置換すると細胞の生存率が下がり、親水性のアミノ酸残基に置換すると生存率とカルシウムイオンの取り込みの両方が低下した。この結果は、Phe-356の疎水性として性質がMid1の機能に重要であることを示唆する。2.出芽酵母の伸展活性化(SA)チャネルはMid1というタンパク質によって形成されている。このMid1が細胞内のどこに存在するのかを、Mid1に対する抗体を用いて間接蛍光抗体法によって調べた。その結果、Mid1は細胞膜と小胞体膜に存在することを明らかにした。この結論は、別の実験法(すなわち細胞分画法とイミュノブロット法)によっても支持された。さらに、Mid1はジスルフィド結合により多量体を形成していることを明らかにした。3.イネの電位依存性Ca^<2+>チャネル候補であるOsTpc1の薬理学的性質を調べた。その結果、動物の電位依存性Ca^<2+>チャネルのブロッカーであるベラパミルとニフェジピンによってOsTpc1のチャネル活性は限害された。この結果はOsTpc1が電位依存性Ca^<2+>チャネルであることを示唆する。4.存在は7年前から分っていたがクローニングをすることができないとされてきた酵母のCCH1遺伝子をクローニングすることに成功した。それを用いて、Cch1がCa^<2+>チャネルとしてはたらくためにはMid1の存在が必要であることを明らかにした。5.シロイヌナズナの葉肉細胞のプロトプラストには機械作動性陰イオンチャネルが存在することを発見した。このチャネルは細胞膜が膨らむときに活性化したので、膨圧センサーとして機能していることが推測される。
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