研究課題/領域番号 |
16370074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究分担者 |
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40332770)
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (20311128)
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キーワード | イェロープロテイン / アミノ酸配列単純化 / 円偏光二色性 / 構造機能相関 / 色素蛋白質 / PASファミリー |
研究概要 |
本研究は、アミノ酸が担う構造情報を減らした単純化蛋白質を作成することにより、アミノ酸配列と構造、機能との対応関係の理解を目指している。対象とする蛋白質はイェロープロテイン(PYP)を選んだ。発色団の再構成により構造と機能への影響を調べることができる他、情報伝達蛋白質に広く保存されているPASファミリーの一員であり、機能分化の研究対象とできる利点がある。これまでに、性質の類似したアミノ酸が同じ構造情報を持つために生じる過剰性を減らすために、アミノ酸の配列単純化の基本方針を以下のように定めた。1)疎水性残基はVal、2)親水性残基はSer、3)芳香族残基はPhe、4)酸性残基はAsp、5)塩基性残基はLysへそれぞれ置換する。6)Gly及びProは残す。さらに、7)PYPに唯一存在するCysは発色団結合部位であるため保存し、8)開始部位のMetは残す。これにより、Ser、Val、Asp、Lys、Phe、Met、Cys、Pro、Glyの9種類のアミノ酸のみで構成された単純化PYP(sPYPO)を作成し、大腸菌による大量発現、精製を行った。しかし、その二次構造は野生型と大きく異なり、発色団再構成能も失っていた。 単純化の基本方針を以下のように緩和した。I)相同蛋白質に保存されている残基を置換しない(sPYPI)、II)Iに加えて、疎水性残基を置換しない(sPYPII)、III)Iに加えて親水性残基を置換しない(sPYPIII)。これらの単純化PYPも、大腸菌で大量発現、精製することができた。しかし、二次構造は野生型と異なり、発色団再構成能も失っていた。さらに、sPYPI、sPYPII、sPYPIIIの間で、二次構造はそれぞれ異なっている。これらの結果は、単純化した部分に二次構造要素を決定する領域があることを示唆している。
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