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2005 年度 実績報告書

スプライシング依存性複合体EJCによる神経細胞でのmRNA局在化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16370078
研究機関京都大学

研究代表者

片岡 直行  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (60346062)

キーワードスプライシング / Y14 / Magoh / EJC / mRNA / 神経細胞 / 細胞内局在 / cEJC
研究概要

近年、真核生物における遺伝子発現の諸過程が互いに密接に関連していることが明らかになってきた。その一例として、スプライシングは、エクソンとエクソンの境界付近にexon junction complex (EJC)というスプライシング依存性複合体を残すことで、下流の遺伝子発現過程に影響するということがある。EJCの構成因子であるY14とMagohはヘテロダイマーを形成し、核内でmRNA上に結合した後、細胞質に輸送後もmRNA上にとどまり細胞質EJC (cEJC)を形成する。このことから、細胞質でのRNA局在に関わることが強く示唆されていた。実際に、キイロショウジョバエにおけるこの二つのタンパク質の相同因子が、卵母細胞でのoskar mRNAの細胞質内局在に関わることが示された。
本研究では、哺乳動物においてもEJCがスプライシングとRNA局在との連携を司っているのではないかと考え、その分子機構を、RNA局在が多く知られている神経細胞を用いて解析を行っている。Y14-Magoh複合体に結合する神経特異的な因子を単離するため、酵母three-hybrid法を用いたヒト脳由来のcDNAライブラリーのスクリーニングを行った。その結果、MAP1B,tnbulinなどの細胞骨格系因子が多く単離された。さらに培養細胞を用いた免疫染色および免疫沈降により、Y14とtubulin系の細胞骨格が細胞内で相互作用して共局在することが明らかになり、輸送との関連が示唆された。またキイロショウジョウバエで見いだされた2種類のmago nashi変異と同様の点突然変異をヒトMagohに導入し、生化学的な解析を行ったところ、一方はY14への結合が、他方はEJCへの取り込みがそれぞれ低下していることがわかった。これらのことから、不完全なcEJCの形成がoskar mRNAの局在が異常になることの原因であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Binding of a novel SMG-1-Upf1-eRF1-eRF3 complex (SURF) to the exonjunction complex triggers Upf1 phosphorylation and nonsense-mediated mRNA decay.2006

    • 著者名/発表者名
      Kashima, I.
    • 雑誌名

      Genes & Development 20

      ページ: 355-367

  • [雑誌論文] Shigella effector IpaH9.8 binds to a splicing factor U2AF35 to modulate host immune responses.2005

    • 著者名/発表者名
      Okuda, K
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 333

      ページ: 531-539

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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