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2006 年度 実績報告書

ヒト染色体複製開始因子ORCの染色体分配・細胞質分裂における機能メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16370079
研究機関北海道大学

研究代表者

小布施 力史  北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (00273855)

キーワード染色体複製 / ORC / プロテオミクス / 細胞周期 / 染色体分配 / テロメア / RNAi / ヘテロクロマチン
研究概要

平成17年度までの解析により、ORCのパートナーとしてテロメア結合因子であるTRF2とRAP1、中心体、核膜蛋白と関連が示唆されているSad1、機能未知のWD40モチーフを持つ蛋白質が質量分析によるプロテオミクスで明らかとなった。平成18年度はこれらのことを踏まえて、TRF2、RAP1、Sad1、HP1、WD40蛋白質とORC複合体の相互作用とその意味について、主にRNA干渉法により解析を進めた。
TRF2に関しては、国立がんセンター研究所の藤田雅俊室長との協同研究により行った。TRF2のmybドメインを介してORC1と主に相互作用していることが明らかとなった。また、ORCを中心とした複製開始複合体がテロメア領域に細胞周期依存的に形成されることが明らかとなった。さらに、RNAiによる機能阻害実験により、ORCおよびTRF2のテロメア領域への局在は、各々互いの活性に依存していること、ORCの活性がテロメア長に影響を及ぼすことが明らかとなった。
WD40蛋白質に関しては、タグを付加したORC1からの免疫沈降、ORC1特異抗体を用いた免疫沈降の両方から同定された。この蛋白質についてRNAiによる機能阻害を行ったところ、G1期が通常細胞の1.5倍ほどに増長することが明らかとなった。このことは、この因子がG1期におけるORCの機能を触媒していることを示唆するものであり、複製複合体の形成、細胞周期進行とのリンクが想定された。
HP1に関しては、HP1側から網羅的に相互作用因子の検索を行ったが、有為な結合因子としてORCは同定されなかった。しかしながら、ORCがもつBAHドメイン、あるいは、AT-hookモチーフを持つ因子が複数同定され、細胞周期や局在などに依存して特異的にORCとHP1が相互作用することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Priming of Centromere for CENP-A Recruitment by Human hMis18 α, β and M18BP.2007

    • 著者名/発表者名
      Fujita, Y.
    • 雑誌名

      Dev. Cell 12

      ページ: 17-30

  • [雑誌論文] Comprehensive analysis of the ICEN (Interphase Centromere Complex) components enriched in the CENP-A chromatin of human cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Izuta, H.
    • 雑誌名

      Genes Cells 11

      ページ: 673-684

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Two E3 ubiqutin ligase, SCF-Skp2 and DDB1-Cul4, target human Cdt1 for proteolysis.2006

    • 著者名/発表者名
      Nishitani, H.
    • 雑誌名

      EMBO Journal 25

      ページ: 1126-1136

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 染色体分配のための分子ネットワークのプロテオミクス解析2006

    • 著者名/発表者名
      小布施力史
    • 雑誌名

      共立出版株式会社・蛋白質・核酸・酵素 51

      ページ: 2020-2023

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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