研究概要 |
複製開始とその制御は細胞周期中で起こる決定的重要性を持つ反応の1つである。DnaA蛋白質は複製起点と複製開始複合体を形成して2重鎖DNAの開裂という開始反応を遂行する。本計画研究では、これまでの本研究グループの研究実績と基盤に立脚し、「複製開始反応と開始制御反応の分子機構を、DnaAが直接関わる、動的かつ複合的蛋白質相互作用として、特に蛋白質構造に基づいて理解する」ことを目指している。 (1)全長DnaAの構造解析と複製開始複合体の構造解明 超好熱菌由来のDnaA蛋白質を精製した。DNA結合能・高次複合体形成能・複製開始能などに関する生化学的機能解析を行い、機能特性を解明した(論文投稿準備中)。 (2)RIDA分子機構解明:DnaA/Hda/クランプ相互作用機構・機能構造相関 DnaA/Hda/クランプの相互作用機構と機能構造相関の解明を進め、論文発表した(JBC,2005)。 (3)DnaA,Hda,クランプ相互作用因子探索 DnaA機能制御因子の生化学的探索を行い、候補因子を見いだした。 (4)新規DnaA相互作用因子の機能構造解析:DiaA(ActB)の機能解析、DnaA-ActB複合体の機能解析 DnaA-DiaA複合体形成に関わる機能構造相関を解析し、成果を論文発表した(JBC,2004)。 (5)蛋白質構造とその機能特性に基づいた阻害剤設計と開発 DnaAドメインIV(DNA結合ドメイン)を特異的分子標的とした薬剤を設計し合成法の開発を進めた。
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