研究課題/領域番号 |
16370089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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研究分担者 |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
望月 康弘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (80282523)
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キーワード | 小胞体 / 小胞輸送 / ゴルジ体 / ZW10 / reticulon / ダイニン / ダイナクチン / 微小管 |
研究概要 |
Syntaxinは膜融合を司るSNAREタンパク質の一種である。我々は最近、小胞体に存在するsyntaxin18がZW10(紡錘体形成チェックポイントタンパク質)やRINT-1(Rad50結合タンパク質)などと結合していることを明らかにした。またtwo-hybrid法によって、ゴルジ体に存在するsyntaxin 5がアポトーシスに関与するreticulon 3 (Rtn3)と相互作用している可能性を示唆する結果を得た。本年度はZW10およびRtn3について解析を行った。 1)小胞体に局在するZW10の機能の解明 ZW10はM期において染色体上の動原体に局在していると報告されていたが、細胞分画法や蛍光抗体法を用いて、間期には小胞体に結合していることを明らかにした。また、ZW10の過剰発現、抗体のマイクロインジェクション、RNAi法によるノックダウンを行い、間期においてはZW10が小胞体とゴルジ体の間の小胞輸送に関与していることを示した。 この研究の途中で、微小管を安定化する働きをもつことが最近示されたノルジヒドログアイアレチン酸によって、小胞体に局在するZW10が核近傍のゴルジ領域へと輸送されることを見い出した。この輸送には、微小管およびそのモータータンパク質であるダイニン-ダイナクチンが必要であり、小胞体結合ZW10も微小管のマイナス方向へ輸送されることが示された。 2)Rtn3の小胞輸送における役割の解明 小胞体-ゴルジ体間の膜輸送に対するRtn3の過剰発現と発現抑制の効果を検討した。その結果、Rtn3を過剰発現させた細胞では、ゴルジ体から小胞体への逆行輸送が阻害されていることが判明した。一方、Rtn3の発現を抑制すると、ゴルジ体の構造がくずれ、ゴルジ体がERGICと会合した状態となった。以上の結果は、Rtn3が小胞体-ゴルジ体間の膜輸送に関与していることを示唆している。
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