研究課題/領域番号 |
16370107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理人類学
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研究機関 | 県立長崎シーボルト大学 |
研究代表者 |
綱分 憲明 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (10172040)
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研究分担者 |
野口 正憲 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (10106148)
吉塚 一典 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (10220691)
村木 里志 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 助教授 (70300473)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 身体組成 / 生理的多型 / 体型 / 生活習慣 / 遺伝 |
研究概要 |
青少年後期は、第二次性徴後の形態や機能の発育・発達がほぼ一段落した成熟・完成に向かう時期といえる。それゆえ、この時期の体型や身体組成は、発育・発達の影響を強く受ける15歳頃までとは異なり、遺伝や食事および運動などの生活習慣との関わりを明らかにすることが容易であると考えられる。そこで本研究では、こうした青少年後期に位置する男女を対象に、体型あるいは体脂肪率や除脂肪体重などの身体組成が,遺伝と生活習慣によってどの程度説明できるのかを明らかにするとともに,種々の生理的な機能に着目して検討をしようとした。 本研究で得られた主な結論を要約すると次の通りである。 1.青少年後期のBMIは、男女ともに20〜21(kg/m^2)で推移し、有意な差はみられなかった。 2.青少年後期の体脂肪率では、男女間に約10%の有意な差がみられたが、男子が10〜13%、女子が21〜23%であり、加齢による変化は特にみられなかった。 3.BMIおよび身体組成と体温、末梢循環機能およびエネルギー摂取量との間には、顕著な差異はみられなかった。 4.エネルギー摂取量とBMIおよび除脂肪体重との関連はみられなかった。なお、男女ともに栄養摂取のアンバランスがみられ、また、エネルギー摂取量は必要量の男子が約80%、女子が約90%に留まっていた。 5.運動習慣は体脂肪率や除脂肪体重と関連がみられ、また、高い体力の保持に関与していた。 6.両親の20歳時のBMIは、非運動群のBMIや身体組成に関連していた。また、非運動群は、男子は母親から、女子は父親と母親の両方からの影響が強くうかがえた。 これらのことから、身体組成は運動習慣に大きく左右されること、また、親が持つ太りやすい体質でも運動習慣を有することで、遺伝的な体質は排除できると考えられる。なお、健康的な身体の保持には適切な食行動は欠かせない。今後、身体組成の生理的多型を検討するうえで、運動と食の連携の必要性が示唆された。
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