研究課題/領域番号 |
16380001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 芳雄 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70109528)
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研究分担者 |
貴島 祐治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60192556)
高牟禮 逸郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90179557)
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キーワード | イネ / 有用遺伝子 / 遺伝子系譜 / 食味関連遺伝子 / 遺伝資源 / 半矮性遺伝子 |
研究概要 |
イネの有用形質である半矮性遺伝子(sd1)とモチ遺伝子(wx)に関し、遺伝子の分布および遺伝子系統を明らかにして、有用遺伝子が品種に利用される経路と自然界における保持機構を明らかにすることが本研究の目的である。本年度は、まず、低脚烏尖(DGWG型)由来と十石(JKK型)由来のsd1遺伝子を識別するプライマーを用いて、野生・栽培259系統について変異アレーレの分布を調査した。その結果、中国産の野生2系統と台湾産在来1系統から新たにDGWG型変異遺伝子を見い出した。中国産およびインド産野生2系統と北海道産系統(A58)との間で組換え自殖系統を育成し、第1染色体のsd1近傍領域の分子マーカーを用いて、QTL解析を行ったところ、中国産系統では、明瞭にsd1の矮性効果が認められた。インド産1年生系統は典型的なr戦略を示し低い草型をもつが、sd1領域には予想に反して長稈作用を持つQTLが検出された。現在、この領域の詳細な比較を行っている。また、有用遺伝子の遺伝的経路を厳密に比較するために、sd1とWx遺伝子について64系統の塩基配列を決定した。両遺伝子とも日本型系統では、野生・インド型系統と比較して塩基多様度(π)が著しく減少しており、異なる染色体における類似の傾向は日本型イネの成立にボトルネック効果の存在することを強く示唆した。Wx遺伝子については、異なる対立遺伝子間で酵素活性を調査したところ、Wx^aとWx^bでは差異はないが、Wx^<in>では遺伝子産物の酵素活性が減じていることが判明した。現在、ネットワーク解析により分化経路を調査している。
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