研究課題/領域番号 |
16380004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70282697)
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研究分担者 |
堤 伸浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
石本 政男 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター, 研究室長 (20355134)
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キーワード | 作物 / 冠水抵抗性 / 耐湿性 / イネ / シロイヌナズナ / アクティベーションタギング |
研究概要 |
近年の降水量の変化は干害や冠水害・湿害をもたらすため、作物生産において非常に大きな制限要素になると予想される。東南アジア・南アジアにおいては、雨季にイネなどの作物が冠水することによる収量低下が深刻な問題となっており、作物への冠水抵抗性の付与が重要な育種目標となっている。また、わが国においては、減反政策によって水田を転換畑へ転用することが推奨されているが、本来水田として利用していた土壌は保水性が高いため、転換作物として栽培の拡大が見込まれるダイズの発芽・生育阻害がしばしば問題になる。したがって冠水抵抗性・耐湿性を強化したダイズ品種を育成することは、わが国においても非常に重要な課題であると考えられる。そこで本研究では、イネやシロイヌナズナより冠水抵抗性・耐湿性を強化できる遺伝子を効率的に同定する。 本年度は、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターのエンハンサー配列をランダムに挿入させたアクティベーションタギング系統のライブラリープールのシロイヌナズナ種子31万粒、変異原EMS処理により作製された変異体のライブラリープールのシロイヌナズナ種子4万8千粒を発芽させ、播種後2週間の芽生えを冠水させた。野生型のシロイヌナズナの植物体は3-4日間の冠水処理でほぼ完全に死滅するので、この条件で生存できるアクティベーションタギング系統や変異体を選抜した。その結果、50万個体の中から77個体の冠水抵抗性の高い系統を選抜した。さらに、2,3次選抜により、アクティベーションタグ系統が3系統、EMS系統が2系統まで絞り込まれた。現在、原因遺伝子座乗位置のマッピングおよびTAIL-PCRによる遺伝子の同定を試みている。
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