研究課題
基盤研究(B)
本研究は、各地の試験場等でばらばらに管理され死蔵されがちな育種栽培試験データを,現場における日常業務の範囲で簡単に仮想統合し全国の関係者間での共有を可能にし、さらに気象データベースなどと自動的に連携させる分散協調型のデータ仮想統合・利用環境の研究開発を目的とした。1.育種栽培試験データ共有基盤ソフトウエアの開発:各地の農業試験場等で異なる形式で表計算シートに保存されるデータを分析し、水稲を例に標準データ形式を定義した。そして試験場間の不斉一性を、それぞれに定義したXMLスタイルシートで定義した標準形式に変換し、データベースに自動的に登録し共有化するシステムを開発した。利用者は、簡単に日常的なデータ形式でそのままデータベースに登録可能である。また、複数の年次、複数の試験場にまたがった作物データを自由に統合し利用できる。2.気象データ・作物データ統合ツールの構築:別途開発した気象仲介ソフトウエアMetBrokerを利用して、利用者が作物データベースより選択した作物データの試験場や年次に対応した気象データを半自動的に抽出し作物データと統合するツールを開発した。3.これまでにサンプルデータとして収集したイネ品種・系統の栽培試験データ15万件についてシステムを試験運用し、十分に実用的な動作が行えることを確認した。4.利用者マニュアルの整備:開発したシステムの導入・運用のためのマニュアルおよび、利用者がシステムを利用するためのマニュアルを英文および和文で整備した。以上、栽培試験データとそれに対応する時期・場所の気象データが極めて簡便に統合できるようになり、多数の品種・系統について多様な地点データを用いた生育モデルのパラメータ推定や、遺伝子型×環境交互作用を解析し品種や系統の適応性をより詳細に理解するなどのデータマイニングにおいて必要とするデータを簡便に提供する基盤が完成した。
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