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2005 年度 実績報告書

作物の葉の光合成活性に影響する個体全体の窒素分配および窒素代謝ネットワークの解析

研究課題

研究課題/領域番号 16380014
研究機関東京農工大学

研究代表者

大川 泰一郎  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (80213643)

研究分担者 平沢 正  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (30015119)
キーワード光合成活性 / サイトカイニン / 硝酸還元酵素 / 窒素含量 / 窒素吸収 / 窒素分配 / 老化 / Rubisco
研究概要

本年度は、老化に作用するサイトカイニンなどの植物ホルモンが窒素の吸収・同化、分配と再分配に及ぼす影響を検討し、植物ホルモンの窒素代謝における生理的機構を明らかにし、植物ホルモンによる窒素代謝ネットワークへの作用を通じた葉の光合成活性維持の生理的機構を解析した。また水ストレスなどの環境ストレス条件下で促進される葉の光合成活性の低下に植物体全体の窒素代謝系の変化がどのように関係し、またストレスによる植物体全体の窒素代謝系の変化に植物ホルモンが関係するか検討した.結果の概要は以下の通りである。
(1)サイトカイニンは植物体全体の窒素蓄積には影響せず、窒素吸収には影響を及ぼさなかった。しかしながら、葉への窒素分配割合が増加し、穂への窒素分配割合が減少し、サイトカイニンにより葉の窒素蓄積が高まることがわかった。(2)窒素の安定同位体^<15>Nを用いて、トレーサー実験を行った結果、サイトカイニンにより水稲の葉の窒素含量および光合成炭酸固定酵素Rubisco含量は高く維持されるが、その要因にはサイトカイニンにより窒素の流入、Rubiscoの合成促進と、窒素の流出、Rubiscoの分解抑制が関与することがわかった。(3)根系のよく発達したコムギの葉の光合成速度が高く維持されることには、植物体の窒素吸収が多く、葉の窒素蓄積が多いことによることがわかった。(4)水ストレスによる水稲葉の窒素含量、Rubisco含量の低下には、サイトカイニンの減少が関係し、葉からの窒素流出、Rubisco分解が促進されることが主な要因であることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] The effect of planting pattern on the rate of photosynthesis and related processes during ripening in rice plants2006

    • 著者名/発表者名
      San-oh, Y.
    • 雑誌名

      Field Crops Research 96

      ページ: 113-124

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 子実収量の異なるコムギの乾物生産・光合成速度と窒素蓄積量の比較2006

    • 著者名/発表者名
      中神龍一
    • 雑誌名

      日本作物学会紀事 75(別1)

      ページ: 74-75

  • [雑誌論文] Interaction of scion and stock on leaf senescence of soybean plants grafted at mid-stem during ripening2005

    • 著者名/発表者名
      Ookawa, T.
    • 雑誌名

      Plant Production Science 8(1)

      ページ: 32-37

  • [雑誌論文] サイトカイニン散布が湛水直播水稲の葉身の窒素含量、Rubisco含量に及ぼす影響2005

    • 著者名/発表者名
      三王裕見子
    • 雑誌名

      日本作物学会紀事 74(別2)

      ページ: 201-202

  • [雑誌論文] 窒素濃度が幼植物期のトウモロコシ系統間で異なる要因の解析2005

    • 著者名/発表者名
      平沢 正
    • 雑誌名

      日本作物学会関東支部講演会 20

      ページ: 48-49

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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