研究課題/領域番号 |
16380015
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 章 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (30230303)
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研究分担者 |
渡邉 彰 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (50231098)
犬飼 義明 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20377790)
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キーワード | イネ / 過湿ストレス / 可塑性 / 乾燥ストレス / コムギ / 根 / 染色体部分置換系統群 / 信号物質 |
研究概要 |
根による信号物質の生産 根系の大部分が十分な土壌水分にアクセスしていても、一部が乾燥土壌中で生育する条件下では、葉身水ポテンシャルが低下する前に気孔コンダクタンスが低下し始め、その際に根、葉身ならびに導管出液内のABA濃度が上昇することを、数回にわたる人工気象室やガラス室内でのポット実験や圃場実験によって再確認した。また、乾燥土壌内の根を切除すると、気孔コンダクタンスと同時に葉身水ポテンシャルが再び上昇する現象も再確認し、根で生産されたABAと、hydraulicな信号の双方がこの現象に関与していると考えた。 また、乾物生産や収童からみて耐湿性が大きいと判定されるゴムギ品種は、そうでない品種に比べて、過湿土壌条件下で気孔伝導度を高く維持する能力を備えていることを見出し、信号物質生産の関与が示唆された。 乾燥ストレス条件下で発揮される根系の可塑性の、個体生長における役割評価 生物資源研究所が、日本晴/Kasalathの戻し交雑によって作成した54系統の染色体部分置換系統群を供試し、水耕系、土耕系、ならびに圃場条件下で、乾燥ストレスに対する生理、生育反応を精査し、根系の発揮する可塑性が乾燥ストレス条件下での個体生長に重要な役割を果たしていることを示す数系統を選抜し、それらを日本晴に戻し交配し、遺伝子型解析用の材料を準備した。また、ネリカ(NERICA)米においても、乾燥条件下で、根系が可塑性を発揮し地上部乾物生産に貢献する系統が存在することを見出した。 根による酸素輸送能力の評価 土壌水分変動条件(乾燥から嫌気条件およびその逆)下における、イネの適応能力について上述の染色体部分置換系統群を対象に評価し、根の通気組織形成反応やそれに伴う根端への酸素運搬能力、ならびに側根発生能力がその能力に重要な役割を果たしていることを示す系統を、水耕系、土耕系、ならびに圃場条件下で選抜した。
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