研究課題
基盤研究(B)
本研究では、AMFであるGlomus mosseaeとPGPFであるPhoma sp.GS8-2、GS8-3、Penicillium simplicissimum GP17-2、Trichoderma harzianum GT3-2を組合せて同時に接種したときのキュウリにおける炭疽病に対する抵抗性の誘導と苗立枯病の発病抑制について調べた。G.mosseaeとPGPFを単独あるいは組合せてキュウリの根に接種し4週間栽培後、病原菌(Colletotrichum orbiculare)の胞子懸濁液(10^5 spores/ml^<-1>)を本葉第2葉に接種した。その結果、いずれのPGPF菌株を接種した場合でも地上部の炭疽病に対し高い病害抑制効果を示した。G.mosseaeを単独接種した場合は病害抑制はみられなかった。Phoma GS8-2とGS8-3を単独接種したときの防除率は71%および36%であったが、G.mosseaeと組合せ接種したときにはそれぞれ57%および19%と低下した。一方、P.simplicissimum GP17-2の単独接種とG.mosseaeとの組合せ接種を比較すると、それぞれ65%および60%と両者ともに高い防除効果がみられた。T.harzianumの単独接種とG.mosseaeとの組合せ接種をした揚合でも同様に、それぞれ60%および64%と同等に高く、組合せ接種による効果の違いはみられなかった。次に、G.mosseaeとPGPF菌株を組合せ接種したキュウリにおける苗立枯病の発病抑制にっいて調べた。立枯病原菌であるRhizoctonia solani AG-4 HGII Mat7の接種濃度は土壌に対し含菌大麦粒を0.3%(w/w)とした。病原菌はG.mosseaeとPGPFを組合せて接種するときと同時に、または12日後に接種した。両病原菌接種濃度においても、G.mosseaeと各PGPFの組合せにおいて病原菌を同時接種した場合には病害抑制はみられなかりたものの、病原菌を12日後に接種した場合には有意な病害抑制効果が認められた。P.simplicissimum GP17-2やT.harzianum GT3-2をG.mosseaeと組合せ接種した場合では、病原菌を12日後に接種したときの防除率はそれぞれ72%および68%であり、それらを単独接種したときの48%およぴ56%よりも有意に高い防除率を示した。すなわち、PGPF菌株とG.mosseaeの組合せ接種による相乗的な防除効果がみられた。
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