研究分担者 |
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60221082)
中島 裕美子 琉球大学, 遺伝子実験センター・遺伝子機能解析分野(理工学研究科・海洋環境学), 助教授 (70244340)
小瀬川 英一 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫適応遺伝研究グループ, チーム長 (40391560)
伴野 豊 九州大学, 農学研究院・遺伝子資源開発研究センター, 助教授 (50192711)
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研究概要 |
カイコ33品種のミトコンドリアcox1遺伝子前半部714bpの解析より多型的な2塩基サイトが確認された。これより33品種は3つのハプロタイプに分類された。特定のハプロタイプと日本種が有意に関連しており、染色体遺伝子のogでも同様の傾向が検出された。また、カイコ、日本産クワコともcox1の塩基多様性はogに比べ著しく小さかった。また、ESTを利用したSNPを進めている。 日本、韓国、中国産クワコにおけるCecropia-ITR-MLE(Bmmar2)の比較では、韓国、中国産クワコの大部分の配列と日本の本州産のクワコの殆どの配列とは異なるグループを形成したが、対馬、北海道など朝鮮半島や大陸に近い地域のクワコ由来の配列は、両グループに跨っていた。このように、これらのMLEの型とクワコの地理的分布との間には相関が見られた。 日本産クワコ3系統と中国産クワコ1系統のALP遺伝子領域の構造を明らかにした。クワコのALP遺伝子はカイコ同様に重複し並列しており、両ALP遺伝子の塩基配列にはクワコ間、カイコ-クワコ間で大きな変異はなかった。クワコの介在配列にはカイコ同様、挿入/欠失による多型が確認された。日本産クワコのどの介在配列よりも中国産クワコの介在配列の構造はカイコCタイプ(C124,J124等)と良く一致した。これよりカイコ(n=28)が日本産クワコ(n=27)より中国産クワコ(n=28)に近縁である可能性を示唆する。 日本産クワコの染色体2型(n=27,n=28)を細胞学的に観察したところ、国内で採集した19個体(福岡県:10、長崎県対馬;8、長野県:1)はどれもn=27のであった。九州大学の保存系統のうちカイコの標準型系統であるp50、P22系統等計10系統(e11,e23,w30,w31,w32,w33,w41,w42)の調査を行ったところ、全てn=28であった。
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