研究課題/領域番号 |
16380049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学部, 助教授 (50243332)
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研究分担者 |
鈴木 武志 神戸大学, 農学部, 助手 (10321952)
川東 正幸 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60297794)
米林 甲陽 京都府立大学, 農学部, 教授 (00046492)
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キーワード | 腐植物質 / 腐植酸 / フルボ酸 / 溶存有機物 / NMR分析 / HPSEC分析 / 多様性 / 多分散性 |
研究概要 |
本研究の目的は、地球表層すべての環境中に普遍的に存在する最も主要な有機態炭素である腐植物質の機能や役割の重要性を啓蒙するため、その実体を視覚的にアピールできるように化学構造モデルを提示することにある。具体的には、液体・固体NMR分析法などを駆使し、腐植物質を多様性と多分散性の二つの側面から解析するために、多様性については起源物質や生成環境の異なる多種多数の試料を、多分散性については各種分画法で多分散性を減少させた試料を採取調製し、それぞれ化学構造を解析し、多分散性と多様性を包括して説明できる化学構造モデルの構築をおこなう計画である。本研究を遂行するためには分析試料を研究期間内の早期に調達し、分析操作とモデル構築のためのデータ解析に十分な時間を用意することが必要であるため、初年度の16年度はこの試料調達に重点をおいた。腐植試料の調製過程の見直しと効率化の促進をおこない、腐植試料の採取・調製をおこなった結果、土壌腐植物質はチェルノーゼム10点、黒ボク土3点、その他、褐色森林土など試料を総計24点採取調製し、当初目標の総計20〜30点の補完を達成した。また、水中腐植物質については十勝川、安曇川、与那川など予定通り5河川から計5試料を、土壌溶液中腐植物質もほぼ計画通りの計4試料を、堆肥中腐植物質は計6試料を取得した。並行して、分取HPSEC法による腐植物質の分子サイズ別分画1試料(10画分)を取得し、現在残りの1試料分を調整中である。すべての調製済み試料は随時NMR等の分析に供し,データを集積している。得られた知見は随時国際腐植物質学会等で発表し、「^<13>C NMR Spectroscopic properties of humic acids in black soils」として学術雑誌に投稿準備中である。
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