研究概要 |
1.糞便サンプルから未知の7α-脱水酸化活性を持つ細菌の分離(横田/和田) 昨年度コール酸(CA)/ケノデオキシコール酸(CDCA)の7α-脱水酸化活性を持つ候補菌株として、薄層クロマトグラフィー(TLC)検出による判定基準で11株を選択した。これらの株について反応再現性の確認、反応生成物(デオキシコール酸(DCA),リトコール酸(LCA),その他)のHPLC,GC-MS分析による同定を試みたが、当初目的のLCAを生成する未知菌株の取得には至らなかった。しかしこの検討の過程で、いくつかの株がCDCAからLCAとは異なる代謝産物を生成していることが認められた。HPLC,GC-MS分析による検討の結果、本代謝産物は7-オキソリトコール酸(3α-hydrOxy-7-OXO-5β-cholanoic acid)であることが判明した。 2.7-オキソリトコール酸生成活性を持つ細菌の同定(湯本/横田) 1.で得られた7-オキソリトコール酸生成株の16SrRNA遺伝子のほぼ全長の塩基配列を決定することにより,菌種を簡易同定した.その結果、今まで報告のなかった変換菌として,Bacteroides intestinalsを取得できた.本変換菌はCAからは7-ケトDCAを生成した.本株は理化学研究所の〓野らによりごく最近新種として記載されたものである。基準株JCM13265を取り寄せて比較したところ、JCM株でも同様の変換反応が確認された。 3.腸内細菌の生育/生理におよぼす二次胆汁酸の影響(横田) 昨年度の本項目における研究成果を論文としてまとめ、Journal of Bacteriology誌に投稿し、掲載された。
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