研究課題
非翻訳型RNAは、転写や翻訳などの過程でタンパク質や他のRNA分子と時間的・空間的に相互作用し、ネットワークを形成している。本研究では、多様な機能を持ち、生命活動に重要な機能を持つ非翻訳型RNAが担う空間的、時間的な機能ネットワークを解明するために、1)枯草菌を中心として、非翻訳型RNAの機能解析に焦点を当て、すでに解析を行っているBS190 RNAをはじめとする転写制御機能を有する非翻訳型RNAの機能解析、2)枯草菌および類縁菌における新規な非翻訳型RNAの同定と機能解析を行った。非翻訳型RNAよる遺伝子発現制御は、急激な環境の変化に対応できると考えられる。枯草菌における酸化ストレスにより誘導される非翻訳型RNAの同定を行った。100μMの過酸化水素水(H_2O_2)存在下で15分培養後、全RNAを抽出した。枯草菌の遺伝子間領域を含むジーンチップアレイ(Affymetrix社GeneChip Genome Array)を用いて解析し、2倍以上発現量が増加する遺伝子間領域を10箇所同定した。このうち、patA-cheV遺伝子間からの転写物として約270ntのバンドを検出した。プライマーエクステンション解析から、2つの転写開始点が確認でき、そのうち1つからの転写は、酸化ストレス下で約2倍の発現量の増大が見られた。このRNAのコード領域の遺伝子配列には、SD配列やORFが見られなかった。さらに、枯草菌リボスイッチの結合タンパク質を同定し、制御機構を明らかにした。
すべて 2007 2006
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Biotechnol. Appl. Biochem. 46
ページ: 169-178
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 70
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