研究課題/領域番号 |
16380060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片岡 道彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90252494)
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研究分担者 |
清水 昌 京都大学, 農学研究科, 教授 (70093250)
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助手 (70281102)
櫻谷 英治 京都大学, 農学研究科, 助手 (10362427)
星野 達雄 DSMニュートリショナルプロダクツ(株), 研究顧問
坂本 恵司 第一ファインケミカル(株), 研究部, 基盤技術開発担当部長(研究職)
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キーワード | キラル化合物 / 不斉還元 / 旧黄色酵素 / カルボニル還元酵素 |
研究概要 |
本研究では、微生物酵素を用いた2つのキラル中心を持つ化合物の生産プロセスの開発を目指す。(4R,6R)-Actinolおよび法d-Pseudoephedrineをモデルとして、その立体選択的合成プロセスの開発を行う。具体的な手法としては、(4R,6R)-Actinolについては2段階の酵素反応を用い2カ所の炭素原子にキラル中心を導入する生産プロセスの開発を試みる。また、d-Pseudoephedrinに関しては、ラセミ体カルボニル化合物を出発基質として、その一方のエナンチオマーのみを不斉還元して同時に2カ所の不斉中心を与える合成プロセスを検討していく。 1.(4S)-Phorenolを基質に(4R,6R)-Actinolに変換する微生物の探索を行った結果、細菌および酵母に数株の高活性菌株を見出した。そのうち、Torulopsis属酵母から精製した酵素は、旧黄色酵素に属する酵素であることが明らかとなった。これまで報告されている旧黄色酵素は(4S)-Phorenolを基質にしないことから、今回得られた酵素は新規な旧黄色酵素であると推定される。 2.Cendida属由来の旧黄色酵素とレボジオン還元酵素を組み合わせて反応させることにより、2段階反応で2つのキラル中心を導入する可能性を示すことができた。 3.d-Pseudoephedrine合成に有用な誘導型アミノアルコール脱水素酵素遺伝子周辺の解析を行った結果、負の発現制御に関わるタンパク質をコードするORFの推定に至った。本ORFを破壊することにより、誘導剤不添加条件でもより高活性な菌株の育種が可能となる。
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