研究概要 |
1.Thermoascus aurantiacusの耐熱性セルラーゼ類高発現株、スーパー麹株の作成 耐熱性糸状菌Thermoascus aurantiacusから得た耐熱性endo-β-1,4-glucanase、 cellobiohydro-laseおよびβ-glucosidaseの遺伝子を、安全性が確立し、タンパク質の分泌能に優れている麹カビAspergillus orizaeに導入し高発現を試みた。即ち、各遺伝子を、tef1プロモーター下で発現するフラスミドを作成し、それぞれの遺伝子をAspergillus orizaeのプロテアーゼ遺伝子二重破壊株に導入した。本菌株の培地の上清にコントロールに比べ高い酵素活性が、特に高温で発現していることを確認している。本研究は東京大学北本かつ彦教授研究室との共同研究である.Thermoascusでの遺伝子導入は困難であったので宿主ベクター系、高発現系が確立しているAspergillus orizaeを選んだ。 日本農芸化学会2007年度大会講演要旨61ページ 2.耐熱性酵母Kluyveromyces marxianusのセルロース資化性アルコール生産株の育種 申請者らが既に作成している耐熱性酵母K.marxianusの宿主ベクター系を活用して、Thermoascuの耐熱性endo-β-1,4-glucanase、 cellobiohydrolaseおよびβ-glucosidaseを本耐熱性酵母に導入した。本発現系では、遺伝子は酵母クロモゾームにインテグレートされ。酵素は菌体外に分泌される。形質転換酵母は、各セルラーゼを菌体外に生産し、CMCセルロースあるいは、セロビオースを単一炭素源とする合成培地で生育し、培地中に最大43g/lのアルコールを蓄積した。 Journal of Biotechnology 2007,印刷中
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