研究概要 |
(1)多様な植物のスクリーニング、およびヒドロオキシニトリラーゼ活性の新しい検出法の確立:すでに活性を有するアーモンドをミルを用いて粉砕し酵素の抽出条件を見出し、植物のスクリーニングの展開を可能にした。高速液体クロマトグラフィーを用いる新しい活性測定法を確立した。 (2)多種類の植物からスクリーニング:富山県中央植物園と協力して、200種以上の植物からオキシニトリラーゼの探索を行い、(S)選択的活性がBaliospermum montanum、(R)活性がPassifloraedulis, Eriobotrya japonica, Chaenomles sinensis, Sorbus aucuparia, Prunus mume,およびPrunaus persicaに存在することを発見した。 (3)キャッサバの(S)-ヒドロオキシニトリラーゼ遺伝子の合成:キャッサバ(Manihot esculanta)由来の(S)-ヒドロオキシニトリラーゼ遺伝子を合成し、ベクターに組み込み大腸菌に導入した。すなわち、キャッサバ由来(S)-ヒドロオキシニトリラーゼ遺伝子を、72merのプライマーをそれぞれ20mer重なるように20種合成し、アセンブリーPCR反応により伸長させ、全長1022bpを合成した。次に高活性を示した発現プラスミドを用いて、シャペロンチームと目的タンパク質を共発現させ、タンパクの可溶性画分への回収効率を向上させた。また真核生物の遺伝子の発現には、メタノール資化性酵母(Pichia pastoris GS115)を用いて、ヒドロオキシニトリラーゼ遺伝子を発現させた。
|