研究概要 |
(1)植物アルドキシム-ニトリル経路の探索と利用: (1)すでに活性を有するアーモンドをミルを用いて粉砕し酵素の抽出条件を見出し、植物のスクリーニングの展開を可能にした。高速液体クロマトグラフィーを用いる新しい活性測定法を確立した。 (2)富山県中央植物園と協力して、200種以上の植物からオキシニトリラーゼの探索を行い、(S)選択的活性がBaliospermum montanum、(R)活性がPassiflora edulis, Eriobotrya japonica, Chaenomles sinensis, Sorbus aucuparia, Prunus mume,およびPrunaus persicaに存在することを発見した。 (3)既知のゴム(Hevea brasilliensis)およびキャッサバ(Manihot esculanta)の(S)-ヒドロキシニトリラーゼ遺伝子を合成、発現させた。 (4)Baliospermum montanumについてcDNAを合成し、精製したヒドロキシニトリラーゼのN末端から得られる情報からDNAオリゴマーを合成し、ハイブリダイゼーションにより遺伝子をクローニングした。大腸菌における酵素活性の発現について検討した。 (5)Eriobotrya japonica(びわ)、Baliospermum montanum, Prunus mume(梅)の種子、葉などから得られるヒドロキシニトリラーゼ類の基質特異性を調べ、アルデヒドやケトンとシアンからの医農薬の原料である光学活性なシアノヒドリンの合成条件を明らかにした。 (2)微生物アルドキシムーニトリル径路の探索と利用: (1)微生物のアルドキシム・デヒドラターゼ遺伝子がニトリル代謝遺伝子とリンクしている事を明らかにし、微生物におけるアルドキシムーニトリル経路の普遍性について検討した。PCR反応を用いてアルドキシムーニトリル経路を有することを調べるためにアルドキシム・デヒドラターゼをマーカー酵素として用いることを検討した。アルドキシム・デヒドラターゼ遺伝子の多様性を明らかにした。
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