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2004 年度 実績報告書

黒麹菌から単離したAl耐性因子の構造とそのAl耐性植物創製への適用

研究課題

研究課題/領域番号 16380067
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

吉村 悦郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10130303)

研究分担者 田代 充  東京都立大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40315750)
中西 啓仁  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282698)
田代 桜子  東京薬科大学, 薬学部, 講師 (40328555)
キーワード黒麹菌 / 出芽酵母 / アルミニウム
研究概要

黒麹菌由来のcDNAで形質転換した出芽酵母を、Al耐性能を指標としてスクリーニングを行い7種類のAl耐性遺伝子(ATF)を同定した。一方、形質転換していない酵母の培養液から、中性のpH領域でAl溶解活性のある物質の存在を明らかにした。この物質を、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーにより精製した。NMR分析(1D,2D)およびイオンスプレー質量分析法からこの物質は2-イソプロピルリンゴ酸(2-IPMA)と同定した。高分解能質量分析は、この結果と矛盾しないものであった。27Al NMRによる分析から、この物質はAlとキレート結合の形成が可能であり、酵母のAl耐性能の一翼を担っているものと考えられた。
2-IPMAはロイシン合成の中間体で、2-ケトイソ吉草酸からLeu4遺伝子の産物により合成される。またこの反応にはアセチルCoAが関与している。黒麹菌のATFのひとつに、アセチルCoAシンテターゼに相同性の高い遺伝子が存在する(ATF5)。これは、ATPのAMPへの分解と共役して酢酸とCoAのチオエステル化反応を触媒するものである。すなわち、ATF5の高発現がアセチルCoAの生成を促進し、その結果2-IPMAの合成を増加させ、Al耐性能を有するに至ったものと判断された。2-IPMAのAl耐性機構への関与を調べるために、Leu4遺伝子を欠損させた酵母を作成し、そのAl耐性能を調べた結果、顕著なAl感受性が示された。すなわち、酵母でのAl耐性能を支配する因子として、Leu4遺伝子が、直接的な役割を担っていることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Timing, magnitude and location of initial soluble aluminum injuries to mungbean roots2004

    • 著者名/発表者名
      F.P.C.Blamey, Naoko K.Nishizawa, Etsuro Yoshimura
    • 雑誌名

      Soil Sci. Plant Nutr. 50

      ページ: 67-76

  • [雑誌論文] Identification of Al(III) Species in a solution containing equimolar concentrations of Al(III) and citric acid using2004

    • 著者名/発表者名
      Etsuro Yoshimura 他
    • 雑誌名

      Anal.Sci. 20

      ページ: 373-374

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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