発光タンパク質の中で、トビイカ・ヤスデ・ミミズなどを対象に研究を計画し、特にトビイカ発光タンパク質シンプレクチンは、すでに発光素子の構造と発光タンパクのアミノ酸配列順位の決定や素子の結合システインの位置決定などを完了している。本研究では、この発光タンパク質アポシンプレクチンに組み込むためのアナログの化学合成や標識化合物の化学合成を行い成果を挙げているが、特に新しい第3世代の発光素子を合成するための革新的な方法論を計画している。この計画によれば、390番のシステインに結合したタンパクの周辺部位の様子を解明することができる。 実際に、新しい合成ルートでこれまでの方法では不可能と考えられる発光素子を合成し、アポシンプレクチンに組み込み、強い発光を確認する。ヤスデについても、発光タンパク質を精製し、そのアミノ酸配列について部分的な配列順位を決定する。さらに沖縄産の発光ミミズの発光素子を決定し、人工的に発光させ、そのスペクトルがミミズのそれと一致することを確認する。 以上のように3種類の発光生物の発光分子機構解明について、大きな実績を上げる計画であったが、研究打ち合わせをするにとどまった。
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