研究課題
基盤研究(B)
C57BL/6Jms SLcマウスを用いて味細胞内の情報変換カスケードの構築を目的とした。苦味-嗜好性を示さない苦味物質のキニーネ、デナトニウム、嗜好性を示す食品系苦味物質、イソフムロン、ナリンジン、カフェインを用いた。味神経を切断し、味神経と嗜好性の関わりを48時間二瓶選択実験で検討した結果、食品系苦味物質は味神経切断により感受性が鈍くなった。しかし、キニーネ、デナトニウムでは、傾向は見られたが、顕著な差がなかった。電気生理学的手法を用いた結果、キニーネ応答は受容体を介さずに直接Gタンパク質を活性化してセカンドメッセンジャーを増減させることを示唆された。デナトニウムでは、Gタンパク質系を介する経路と介さない経路が存在し、介さない経路には細胞内カルシウムストアに情報が送られていることを明らかにした。カルシウムイメージング法による細胞応答記録後、関連すると推測されるGタンパク質やエフェクターの免疫染色を行った結果、苦味応答に細胞外カルシウムを必要とする細胞はGタンパク質が存在していない確率が高く、細胞内カルシウムを必要とする細胞はGタンパク質とIP_3受容体を発現している事がわかった。うま味-細胞内にPLCの阻害剤U73122やcAMP、カルシウムストア枯渇剤タブシガルギンを組み合わせて細胞内に導入した結果、グルタミン酸応答には細胞内カルシウムの関与が大きく、IMPとの相乗効果には細胞外カルシウムの関与が大きいことが明らかになった。細胞応答を記録後、関連すると推測されるGタンパク質やエフェクターの免疫染色を行った結果、うま味応答を示す細胞はGタンパク質とIP_3カスケードが存在することが明らかになった。さらにグルタミン酸と同様にうま味を示す物質の相乗効果を調べた結果、うま味の相乗効果は核酸がうま味受容体に作用するのではなく味細胞の他の部位に作用して生じることが示唆された。
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