研究課題/領域番号 |
16380096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 利博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30332571)
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研究分担者 |
福田 健二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30208954)
伊藤 進一郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90092139)
光永 徹 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20219679)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 樹木 / 防御反応 / 傷害 / ストレス / 病原菌 / 治療 / 変色腐朽 / 衰退 |
研究概要 |
4樹種の幹に対する季節を変えた付傷処理では、全体的には秋季、冬季の傷害では材変色の進展が遅く、夏季の傷害で最も進展が速かったが、樹種による違いがみられた。水ストレス下で暗色枝枯病菌を接種したスギ苗木では材変色の進展が著しく、水ストレスは病変の拡大に対し大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。ケヤキに穿孔傷害を与え傷口の乾燥状態を制御したところ、傷口の乾燥防止により材変色の範囲、程度が抑制されることが分かった。以上より、傷害に起因する材変色の進展には季節や水ストレス、傷口の状態が影響することが明らかになった。 感受性の異なるブナ科4樹種にナラ枯菌Raffaelea quercivoraを接種したところ非通水域、材変色域の大きさは感受性の差異と一致し、またスベリンの呈色反応は感受性の低い樹種で顕著であり防御反応に違いがみられた。R. quercivoraを6~1月に感受性の高いミズナラと低いアラカシに接種したところ、ミズナラでは6~7月接種で非通水域が最も大きく、対照との差も大きかったのに対し、アラカシでは非通水域はいずれの接種時期でも対照と大きな違いはなく、樹種によって季節と感受性との関係が異なっていた。R. quercivoraの4菌株をミズナラ、アラカシの苗木と成木に接種したところ、苗木と成木とで各菌株に対する感受性が異なっていた。スギ苗木に暗色枝枯病菌を接種した場合には傷口の乾燥状態は病変の拡大に影響を及ぼさなかった。以上より、病原菌が関与する場合は樹齢、季節、水ストレス、傷口の状態の影響は傷だけの場合から変化することが分かった。
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