研究課題
基盤研究(B)
京都議定書が発効し、地球温暖化に対する森林の役割が益々重要になってきた。森林が貯留する炭素量の測定は、京都議定書には「検証可能性かつ透明性の高い方法」と規定されており、衛星データの活用が期待されている。わが国には森林簿があり、材積も記載されている。しかし、森林簿の材積は、あまり現実を表わしてはいない。端的な例として小班の材積が挙げられる。小班の材積はただ一個の値が計上されているが、実際には個体ごとにかなり変動している。そこで、IKONOS衛星データを用いて、現地調査を行ったプロットサイズにリサンプリングし、プロット材積と輝度値との関係を解析した。その結果、両者にはべき乗式が成立した。この回帰式を使って、小班の材積分布および平均材積を推定した。現地の調査結果と比較してみると、IKONOS衛星から求めた材積の方が森林簿材積よりも格段に精度がよいことが確かめられた。実測値との差が大きいプロットも見られたが、衛星データを用いて小班内の細かなバラツキを解析し、実態にあった炭素貯留量の推定は可能であると考えられた。一方、京都議定書ではすべての森林の炭素貯留量を認めてはいない。3条4項にあるように、手入れや林業経営が行われた森林のみが対象となる。そこで、IKONOS衛星のパンクロマチック画像を用いて、目視でどの程度、スギ人工林の概況が把握できるかを17年度も解析した。スギ人工林を対象に、テクスチャ(キメ細かく見えるか、粗く見えるか)の違いを目視で行った。そうすると、本数密度の違いがはっきりとテクスチャに表れていることが分かった。一方、テクスチャは、林分の平均直径、平均樹高とも密接に関係している。したがって、特別の解析をしなくても、目視で本数が減少した箇所、例えば間伐実行林分等が解析可能である。このように、高分解能衛星データを使用し、人工林の概況をすばやく把握できることを示した。
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写真測量とリモートセンシング 45(1)(印刷中)
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