研究課題
基盤研究(B)
本課題の一連の調査・研究では、幅広い関係を持った水文地形学的な話題を網羅できたと思う。日本では和歌山/奈良南部と三重の宮川流域で、また同様に東南アジアではBukit TarekとAmphoe Mae Taeng流域で、管理された森林に覆われた流域における土砂供給と運搬との間の連係を解明した。特に急傾斜な対象流域、例えば、地すべりプロセスがその斜面を支配しているような場合、土砂堆積物は地すべりの初期の崩落容積の影響を受けるだけでなく、地すべりと土石流の流動性・可動性や、源流部の河道の保存特性の影響も受けていた。東南アジアの一般的な急傾斜地のある流域では、道路による浸食が土砂運搬の主な役割を果たしていた。従って、このような土砂の持つベクトルの重要性から、山地においては適切な道路計画と建設基準を取り入れる必要性が指摘される。さらに、滋賀の不動寺流域とBukit Tarekでの研究は、出水の間に林道がどのように中間流を遮り、表面流を再流出させるか、さらに出水ハイドログラフを緩和するかを数量化した。皆伐のあった日本の急傾斜森林流域では、地すべりと土石流の発生の多くは根系強度が最小となった斜面安定性の減少した期間に対応した。このうちほとんどの地すべりが皆伐後1から10年で発生し、植栽後25年までの商は若干地すべりの増加傾向が見られた。急傾斜地において、地すべりが様々の条件下で土石流の発生にどのように寄与するかを的確に記述するため概念的なモデルを開発した。また、新しい知見から三重の流域では丘陵地の流出経路に関連して次のようなモデルを開発した。それは、Hortonの地上流が小規模で起ると、その間、地上流の重要性は丘陵地と小さい流域規模においては著しく減少するというものである。このような効果は、現在河川流出発生の水文地形学的な概念モデルの最新版に取り入れられている。以上のように、小規模過程での成果は、結果として丘陵地に応用可能な卓越流モデルの開発につながると考えている。
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